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――今季はどのようなシーズンでしたか?
自分たちが思い描いていたシーズンではなかったというのが率直な感想です。ディビジョン1に昇格することを掲げて臨みましたが、思った以上に壁が厚くて、練習していることを遂行する力が思ったよりないんだなと痛感しました。シーズン中に修正を試みましたが、それでも修正しきれなかったのは自分たちの弱さだと思います。そこはしっかり受け止めて、来季に向けて準備をしないと、また同じ結果になってしまうと思います。
――この悔しさを来季必ず晴らそうという意識は選手一人ひとりがもっていますか?
もっていると思います。ただ、"壁にぶつかっただけ"で終わっているのでは良くないです。その壁をどう打開していくのか、今季の反省点も含めて本気で見つめ直して、上手くいっていないことすべてを改善していかないと来季はより厳しくなると思います。その意識は各選手もっているはずです。
――上手くいかなかった要因はどこにあると考えていますか?
試合に向かうまでの準備段階で、誰がとかではないですが、どこかで妥協していた部分はあったのかなと思います。チームとして進むべき方向に対して、それを乱したり、守れなかったりしたのが要因だと思います。
――清水選手は順位決定戦の三重ホンダヒート戦で負傷してしまい、残りの試合は欠場となってしまいました。負傷直後の心境はいかがでしたか?
まず、医師の方に膝が酷い状態であることを伝えられて、診察した次の日には緊急手術したんです。そのときに思ったのは、「また足ガリガリになるなあ」と。これまでですでに2回膝にメスを入れていて、28歳という年齢を考えても、また1からリハビリして治さないといけないキツさがありました。入れ替え戦に出場できなかったことも悔しかったです。それでも、ケガをする前は全試合に出場して、プレータイムも長く得られたので、充実したシーズンを送れた感覚はあります。今季の経験を無駄にしてはいけない意識もありました。
――今季出場した試合の中で印象的だった試合はありますか?
パッと思いつくのはレギュラーシーズン第2節の日野レッドドルフィンズ戦ですね。前半は思い通りに試合が進まず、7-23という大差で試合を折り返しましたが、後半にスイッチを入れ直して逆転できました。満足する試合内容ではなかったですが、気持ちの面や準備したことを遂行するところができたので印象に残っています。
――清水選手自身のベストプレーを挙げていただけますか?
レギュラーシーズン第9節の三重ホンダヒート戦での前半14分のトライです。僕がラインブレイクをしてトライを奪ったシーンなんですが、そこでトム・バンクスを交わしたのが印象的です。
――清水選手のキャラクターが前面に出たトライだと思いました。来季もそのようなプレーが見られることを楽しみにしています。
まずはそのときの身体の調子に戻して、圧倒的なパフォーマンスを見せることを来季の目標にしているので、そこをモチベーションに頑張りたいです。
――清水選手が欠場して、代わりのスタンドオフには今季限りで退団したジョシュ・マタヴェシ選手が入りました。
キックの精度や飛距離、タイミングなどはさすが代表選手だと練習から思って、学びにしていました。また、僕にはないコンタクト能力があるところも羨ましいです。ただ、僕の方が走れますね(笑)。
――マタヴェシ選手とは10番、12番コンビで今季のシャトルズを支えました。
マタヴェシとは2シーズン一緒に戦いましたが、ほとんどの試合で一緒に出場したと思います。彼の一番すごいところは、コミュニケーション能力がものすごく高いところです。言語は違いますが、指示やプレーのコールが明確に聞こえるので、やっていてすごい安心感がありました。ラグビー人生で一番やりやすかった12番だったと思います。彼から学んだことを今シャトルズに在籍しているセンター陣は見習ってほしいです。
――最後に、来季への意気込みとファンの方々へメッセージをお願いします。
来季は今季以上に厳しい戦いになると思います。今季以上のチームの出来にするために、課題を見つめて準備しないといけないです。チームとして成長した姿を見せられるように、一丸となってやっていきます。ファンの方々には、パロマ瑞穂ラグビー場で声援を送ってくださり、力になりました。ファンの方々にとっても満足いくシーズンではなかったと思いますが、来季も今季同様の熱い声援をよろしくお願いします。
【インタビュー 斎藤弦】 |