オフシーズンの選手インタビュー企画として、"2023-24 PLAYBACK INTERVIEW"と題して、活躍した選手を中心に今季の戦いを振り返ってもらいました。今回はフッカーの藤浪輝人選手にお話を聞きました。
――今季はどのような1年でしたか?
「序盤は、自分の試合勘がまだ完全ではない状態で入っていたこともあって、1試合ごとに成長するというか、レベルアップをしていっているのを実感したシーズンでした。また、終盤になってきたときに、他チームの選手で僕の年(現在28歳)で引退する選手が多くて、今この歳で、この環境でグラウンドに立っていることの幸せを実感したシーズンだったなと思います」
――今季は合計11試合に出場しました。パフォーマンスとしてはいかがですか?
「コンスタントには出場したかなと思います。最後は脳震とうで出られませんでしたが、大きなけがはなかったですし、そのあたりは自分の中で良かったと思います。パフォーマンスの部分でも、セットプレーの面や、タックルの面で、自分の中で『次はこうしよう』とか、『次こうやったらうまくできるんじゃないか』というのを考えながらできたというか、それぐらいの余裕があった感じはしました」
――チームは入替戦の結果、惜しくも昇格とはなりませんでした。
「すごく印象に残っているのが、第1戦で負けてしまって、少し僕の中でチームが落ち込んでいるかなというか、練習などを見ていても『なんかちょっと元気ないな』という雰囲気はありました。でも、それを払拭するためにメンバー外の選手たちが練習の中で本気でやり合っていて、『まだまだこのくらいで諦めている場合じゃないぞ』とメンバー外の選手から言われているような雰囲気があって、それはすごくいいことだと思いました」
「このシーズンを振り返ってみたときに、メンバー外の選手が練習相手として、本気でやり合ってきてくれたということが、すごくいい刺激になりました。そういう面では、入替戦はメンバー外の選手たちのおかげで、第2戦は勝ちにつながったのかなと思います」
――個人的に印象に残っている試合はありますか?
「1番緊張した場面が、第9節のNECグリーンロケッツ東葛戦です。最後は僕の逆転トライでしたけど、モールを押し込んでいるときが1番しびれましたね。自分が今成長していると感じたのがこの一戦でした。あとは元々三重ホンダヒートにいたこともあって、入替戦は印象に残っています」
「入替戦は第1戦しか出られませんでしたが、そこでトライにつながるジャッカルができたのが嬉しかったです。あと個人的にパブロ・マテーラの大ファンで、ワールドカップのときから応援していて、彼のキャプテンシーや人間性もすごく素敵で、記事なども色々読んでいるほどの大ファンだったんですけど、その選手にタックルに行って、真正面からぶつかりに行って、思いっきりやられたので(笑)。めちゃくちゃ強いなと思いました」
――マテーラ選手は特に第1戦では大暴れでしたね。
「そうですね。試合が終わったあと、僕が相手の選手と喋っていると、マテーラが向こうから来てくれて、 『大丈夫か?お前のタックルはすごかったぞ』と言ってくれました。プレーもそうですが、人間的にもすごい選手で、見習うべきところがいっぱいあるなと改めて思いました」
――そんな裏話があったんですね。
「僕も脳震とうになっていたのであまり思い出せないんですけど、そこだけ印象に残っていて。そう言ってくれたことが嬉しかったというか、いい人だなと思いました」
――来季は再び昇格に挑むシーズンとなります。カギになってくるポイントはありますか?
「すごく抽象的になってしまうかもしれないですけど、シャトルズって色んなチームから集まってきた選手で作られているチームだと思うんです。その中で個性がいっぱいあって、誇りを持っている選手が若い選手にもいますし、活気ある選手が多いっていうのは一ついいところでもあるので、そのベクトルを同じ目標に向けていければと思います。勝つんだという気持ちを練習から前面に出していける選手が増えたら、もっともっといいチームができるんじゃないかなと僕は個人的には思っていますね」
――藤浪選手個人が来季目標にしていることはありますか?
「個人的に言ったら全試合に出場したいなと思います。パフォーマンスはもちろんそうですし、けがをしない体を作りたいなと思っていて、ディビジョン1に昇格する試合まで出続けたいですし、その最後の試合で、みんなとグラウンドで喜びたいなと思います。それが僕の目標です」
――最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。
「ファンのみなさんには、パロマ瑞穂ラグビー場での試合もそうですし、遠いところまで応援に来てもらって、この人たちのために頑張りたいなと思えるような人たちです。来季も1人でも多くの方に自分たちの背中を押してもらって、頑張っている姿を見てもらいたいと思うので、応援よろしくお願いします!」
【インタビュー 斎藤弦】 |